脂肪肝の悪化が招く病気

脂肪肝は自覚症状が無いため、軽視しがちになります。しかし、脂肪肝は肝臓疾患の入り口でしかありません。放置して症状を悪化させてしまうと、より大きな病気へと発展してしまう可能性があります。

脂肪肝の悪化が招く病気について知り、真剣に治療、改善に臨みましょう。

脂肪肝自体はほぼ無症状

脂肪肝は、本人でもなかなか気づくことができません。なぜなら、自覚症状といえるようなものがほとんどないからです。脂肪肝の多くは、病院での定期検診などで見つかって初めて分かるものです。

肝臓に脂肪が溜まり過ぎると、その分肝機能は低下します。脂肪化が進行すると、疲れやすくなるなど、ちょっとした不調は現れますが、それも見過ごされがちです。症状がほとんど出ないことから、以前は脂肪肝自体はそれほど大きな問題ではないと考えられていました。

しかし、最近では、脂肪肝と他の病気との関連がだんだん分かってきています。脂肪肝からさらに重い病気へ移行することもあり、注意が必要です。

脂肪肝と他の病気とのつながり

ある意味で、脂肪肝は肝臓疾患の第一歩ということができるでしょう。脂肪肝から肝炎、さらには肝硬変へと、どんどん重症化する可能性があります。

脂肪肝の悪化が招く病気には、以下のものがあります。

  • アルコール性肝炎
  • 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
  • 肝硬変
  • 肝がん

アルコール性肝炎

アルコールが原因とみられる脂肪肝を、アルコール性脂肪肝と呼びます。つまりは、飲み過ぎによる脂肪肝です。この状態が続くと、肝臓で炎症が起きるようになります。これがアルコール性肝炎です。

アルコール性脂肪肝も、アルコール性肝炎も、どちらもアルコールが原因です。そういう意味では、この二つはひとつながりの病気ということもできるでしょう。アルコール性肝炎が続くと、次はアルコール性肝硬変へと移行します。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

アルコール以外の原因による脂肪肝を、非アルコール性脂肪肝と呼びます。また、そこから肝炎になったものを非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:ナッシュ)と呼んでいます。

非アルコール性脂肪肝は、必ずしも非アルコール性脂肪性肝炎につながるわけではありません。実際、非アルコール性脂肪肝のうち、肝炎へとつながる可能性のあるものは2割程度と言われています。

非アルコール性脂肪性肝炎が起こるのはなぜなのか、はっきりしたことはまだわかっていません。肥満の人に多く見られ、糖尿病や高血圧、脂質異常などの他の疾患があるほど、非アルコール性脂肪性肝炎になる可能性は高くなります。

肝硬変

肝炎が長く続いて慢性化すると、肝硬変へと移行することがあります。肝臓で炎症が起こる際には、肝細胞の破壊と再生が繰り返し行われています。それが長く続くと、細胞の「線維化」と呼ばれる現象が起き、肝臓が小さく、固くなっていってしまいます。これが肝硬変です。

肝硬変になると、線維化によって正常な肝細胞の数が大幅に減ってしまいます。そのため、肝機能が大きく低下し、さまざまな症状が現れるようになります。

また、線維化してしまった細胞は元に戻すことができません。つまり、肝硬変になってしまったら、元の健康な肝臓には戻らないということです。

肝がん

肝臓にできるがんが肝がんです。肝がんのうち、特に肝臓で発生したもの(つまり、他の臓器から転移してきたものではない)を原発性肝がんと呼びます。この多くは、肝炎や肝硬変が原因となっています。

脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝がんのように、脂肪肝から進行していくこともあります。肝がんは肝臓疾患の終末形態ということができるでしょう。

早めの治療が肝心

脂肪肝は風邪の引きはじめのようなものです。この段階でしっかり治さないと、ひどい症状へとつながってしまいます。

脂肪肝の段階であれば、適切な食事と運動で治すことも可能です。特に症状もないからと甘く見るのは危険です。早めの治療でしっかり治してしまいましょう。

肝臓は再生能力の高い臓器なので、脂肪肝の状態であれば、改善は決して難しくはありません。いつまでも放って置くことは、ただリスクを抱え込むだけです。健康診断で肝硬変を指摘されたら、早めに対処してしまいましょう。

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